写経とは何か?

写経とは、仏教の経典を筆で書き写すことをいいます。お釈迦様が説かれた御教えを書写する事で、仏教の修行のひとつとして、古来から行われてきました。
写経は、心を落ち着かせ、集中力を高め、仏教の教えを学ぶことができる貴重な機会です。
写経は、困難な時代にこそ挑戦してみたい、子供にもおすすめの体験です。今回は“写経とはどういうものなのか”を中心に、詳しく紹介していきます。
「写経は子供には早いかな?」と思っている方も、これを読んで挑戦してみてくださいね。

我が家も娘と一緒に写経をやります。悩みがあってもなかなか言葉にできない時に娘から「今晩一緒に写経しない?」と誘われます。
写経の歴史
仏教の教えは古来より、口伝で継承されてきました。
紀元前1世紀頃、インドではじめて貝多羅葉(ばいたらよう)という木の葉に書写が行われ、それが各地に広がってゆきます。
2世紀頃からは漢訳も始まり、木版印刷が主流となる10世紀中頃までの間は、中国で沢山の経典が漢訳され、写経されました。
写経が日本に伝わったのは、およそ1300年前。日本書紀には日本古来の写経の記述があります。
日本での写経は平安時代にとても盛んに行われました。
写経は、日本文化に深く根付いており、僧侶や仏教を深く信仰している人以外にも多くの人が写経をしています。
長い間写経の文化が途切れずに続いてきたのは、それだけ写経による効果があるからと言えるでしょう。
写経にはどんな効果がある?
写経には、さまざまな効果があると言われています。ここからは、口コミも含めて紹介してゆきます。
1.写経は心を落ち着かせる効果がある

写経は静かな場所で、ゆったりと経典を書き写していきます。普段スマートフォンやパソコン、ゲームなどに触れている子供たちは、気づかない間に心が疲れている可能性があります。デジタルなものと離れて頭を空っぽにすることで、イライラしたり、モヤモヤしたりする日常をしばし忘れ、心を落ち着かせることができるでしょう。
2.写経は集中力を高める効果がある

写経は経典を書き写したり、下敷きにしたお手本を書き写します。単調な作業のように見えますが、計算やテストのように頭を悩ませて進めてゆくものではないので、丁寧に書くことだけに集中できます。また、意識を集中して指先を使うと、脳に良い刺激があると言われています。はじめは10分程度しか集中力が持たないこともありますが、写経を続けることによって、集中できる時間が長くなってゆくので、効果が体感できるでしょう。
3.写経はストレス発散効果がある

ストレスを発散する方法は、寝る、食べる、遊ぶなど、様々あります。しかし、子供は世界が大人ほど広くないので、「何をしてもストレスからは逃げられない」と感じてしまうことも。写経は書くものと紙さえあればどこでもできます。写経自体の効果はもちろん、落ち着く空間をつくり、写経に取り組むという作業自体にストレスを解消する効果も期待できます。
4.写経は記憶力をアップさせる効果がある

写経は集中力を保って書き写すことで、回数を重ねてゆくにつれ、経典を覚えるようになります。般若心経は慣れてくると記憶力が高まることで1時間程度で書きうつすことができるようになります。これは写経だけでなく、普段の勉強をするのにも通じるものがあるため、子供の記憶力をアップさせるのに効果的な方法と言えるでしょう。
5.写経は自分を見つめなおす効果がある

写経をすることで、自分自身を見つめなおす時間になります。集中力がどのくらい続くのか、文字の綺麗さはどうなのか、写経をした後の気持ちはどうなのかで、今の自分の状態を知ることができます。写経を初めても集中力が続かない場合は、思い切って中断することも大切。無理をして続けず、ゆったりとした気持ちで向き合える時にやるようにしましょう。
6.写経は自主的に学ぶ力を育む効果がある

写経はただ単に漢字を書き写すだけではありません。経典には、私たちが生きる上で大切にしたい事柄が明記されています。写経会に参加すると、その経典の内容を教えてもらえることがあります。経典に何が書かれているのかを学び、それがどう自分と関係があるのかを考えることで、自分から学ぶ機会が増えます。
写経は、心と身体にさまざまな良い効果をもたらす素晴らしい行法です。興味のある方は、ぜひ一度写経をしてみてください。
7.写経を続けることで自然と字が綺麗に書けるようになる

写経を初心者の人が取り組む場合、「なぞり書き用紙」を使うのがおすすめです。これは用紙自体に薄くお手本が書かれているもので、知らない漢字が出てきても、なぞるだけなので簡単に取り組むことができます。何度も何度も書いているうちに、文字のとめ、はね、はらいが上達し、普段の文字まで綺麗にかけるようになります。また、普段の文字も、丁寧にかくような習慣が身につきます。
写経を始める前に準備するもの・こと

写経の道具
写経を始める前に、まずは道具の用意をしましょう。必要なものは以下の6点です。
- 小筆(弾力があるもの、穂先がまとまりやすいものを選ぶ。初心者や子供は筆ペンもおすすめ。)
- 硯(すずり)※筆ペン使用時は不要
- 墨、または墨汁※筆ペン使用時は不要
- 下敷き※学習用の下敷きではなく、書道用の下敷きを使う。
- 文鎮※子供は2本セットになっているものも扱いやすいのでおすすめ。
- 写経用紙(白紙・なぞり書き用紙・線入り用紙など、年齢や好みで選ぶ。)

写経の道具は文具店や仏具店で販売されています。
写経初心者の方は、こちらの商品がおすすめです。
■ぺんてる 筆ペン ぺんてる筆 ふではじめ 矢羽根柄 XGFD40CA1-A
- 硬めで短い毛筆なので、写経初心者にぴったり!
- 運筆を調整しやすく、子供でも安定した筆記ができます。
- すぐに触れても、手や描いたものが汚れない速乾染料インキを採用。
- 【インキ】黒 【カラー】矢羽柄
- 【サイズ】13×12×148mm/8g
- 【材質】軸=再生PP キャップ=PP 穂先=ナイロン、ポリエステル
■モリベクリエーション 書道セット スタンダード コギン MOS-28K
- レトロなこぎん柄のおしゃれなクラッチバックに、必要な書道道具が全て入ったセット。
- 趣味書道や書道教室用としてギフトにも最適。
- 小学校の子供に写経にもぴったり。
- 【内容】バッグ/中皿/筆:太細2本/下敷/墨液/硯/固形墨/筆巻/水差/文鎮/半紙ファイル/筆置き
- 【サイズ】W345xH240xD50mm 【重量】約980g
■水雲間 般若心経 写経用紙セット(20枚入り写経紙+筆ペン) 願文スペース付き なぞり書き 手本付き 大きいサイズ
- 般若心経+筆ペン 写経用紙セット。納経タイプで、願文を書くスペースがある。
- 20枚入。
- ◆ 寸法:用紙67cm×35cm、行幅ー⒉5cm
- 大きい紙、大きい文字なので、子供でも見やすく、書きやすい
- なぞり書き用のお手本の文字が、一枚ずつにうすかげ印刷されています
- 写経用紙は、縦罫線入り、楮紙系の和紙を使用しています。
写経を始める前にチェックすること

写経をする際には、まず、写経用の道具を用意します。
写経用の紙は、白紙・なぞり書き用紙・線入り用紙などがありますが、初心者や子供はまずは「なぞり書き用紙」がおすすめです。
慣れてきたら経典見本を見ながら自分で漢字を書く「線入り用紙」や「白紙」にすすみましょう。
写経をするときは、静かな場所で、ゆったりとした気持ちで取り組みます。お寺で写経するのと同様、自宅でも環境を整えるのはとても大切なことです。
□ 机の上は綺麗になっていますか?
□ 服装や髪形の乱れはありませんか?
□ 口の中をすすぎましたか?(歯磨きするのもおすすめです。)
□ 周りの環境はうるさくありませんか?
□ 親に言われたり、習慣として、イヤイヤ取り組もうとしていませんか?
□道具の準備はしっかりできていますか?

1つでも当てはまったら、今は写経ができる状態ではありません。時間をおいて取り組みましょう。
写経のやり方・手順

写経の手順
- 写経用の道具を用意する。
- 身の周りを整理する。(机の上の整理整頓、体や口の中を清める。)
- 落ち着いて座り、手を合わせ、一礼する。(正座でなくても大丈夫。子供は学習机がおすすめ。)
- 写経用の紙を机の上に置く。
- 硯でちょうどいい濃さになるように墨を作り、筆に墨をつける。(筆ペンの場合は不要)
- もう一度手を合わせて、これから書き写す経典を読む。(読み方が書かれていないものは、事前にふりがなを打ちましょう。)声に出しても、出さなくてもどちらでも良い。
- 写経したい経典を書き写す。
- 一文字一文字を丁寧に書く。
- 写経の本文が終わったら、願い事を書く。(本文から一行離して、一文字下げて「為」と書き、後記入する。(子供の場合は難しい言葉や漢字は使わず、“字がうまくなりますように”、“友達ともっと仲良くできますように”など、丁寧な言葉で書くように心がけます。)
- 開業して名前を書きます。そしておわりは「謹写」で〆ます。
- 日付を書きます。
- 手を合わせて一礼します。
写経の注意点

- 写経をするときは、静かな場所で、ゆったりとした気持ちで取り組むようにしましょう。
- 写経をする環境を整えましょう。(机の上や身だしなみなど)
- まずは経典を読んでみましょう。声に出す、出さないは自由です。
- 一文字一文字を丁寧に書くことが大切です。字が汚くても構いません。心を込めて書くことが大切です。
- 写経を終えたら、仏様にお礼をしましょう。
- 写経が終わっていなくても、集中力が途切れてやる気が無くなってしまった場合は、中断して後日取り組む。(イヤイヤやらない)
絵写経(写仏)のやり方

絵写経(写仏)とは、仏教の図像を筆で書き写すことをいいます。絵写経は、写経の一種ですが、経典や礼拝文を書き写すのではなく、仏教の絵や図像を書き写すので、漢字が書けない子供でもできるのが利点です。
絵写経(写仏)のやり方
- 絵写経(写仏)専用の紙を用意する。
- 筆ペンや書道道具など、絵写経で使う道具を並べる。
- 墨を丁度良い濃さにする。※筆ペンの場合は不要。
- 一筆一筆を丁寧に書く。なぞり書きは丁寧になぞる。
- 絵写経(写仏)が終わったら、仏様にお礼をする。
画像写経の注意点
- 画像写経をするときは、静かな場所で、ゆったりとした気持ちで取り組むようにしましょう。
- 絵写経(写仏)は、まるでお絵かきのように感じてしまうかもしれませんが、これも立派な修行だということを意識して取り組みましょう。
- 一筆一筆を丁寧に書くことが大切です。心を込めて書くことが大切です。
- 絵写経が終わったら、仏様にお礼をしましょう。
写経の豆知識
どうして写経は「般若心経」ばかりなの?

みなさんは、写経はどうして「般若心経」ばかりなのか、知っていますか?これは、日本で一番有名なお経で、文字数が丁度良いというところからきています。
般若心経の文字数は260文字です。
般若心経を写経するのにかかる時間は、書道の経験や字の大きさによって異なります。一般的には、1枚の紙に般若心経を写経するのに約10分程度かかると言われています。しかし、書道の経験がある人や、字を大きく書く人は、それよりも短時間で写経することができます。また、写経を初めて行う人は、字を書くのに慣れていないため、時間がかかるかもしれません。
家なら子供でも写経に取り組みやすい!
いかがでしたでしょうか?今回ご紹介した写経のやり方は、ほんの一例にすぎません。
お寺によって作法ややり方が違ったり、おすすめされる経典も異なります。
「子供も写経ってできるかな?」
「いきなりお寺で写経体験をするのは、ちょっと抵抗がある」
という方も、自宅でならば始めやすいですよ。
週末や長期休暇の時などに、ぜひ親子で取り組んでみてくださいね。

自宅で写経をした方、ぜひ感想を教えてくださいね♪
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