仏壇の線香の煙って安全?子供や赤ちゃんに影響はないのかな・・・
「実家や義実家に帰省した時にだけ、子供たちの咳が出る。」
「子供たちが、のどや鼻の奥が変な感じがするって言う。」
お仏壇に欠かせない線香ですが、その煙が健康に悪影響を与えるのではないか、と心配される方も多いのではないでしょうか。
特に、子供や赤ちゃんは抵抗力が弱いため、大人よりも影響を受けやすいのでは?と考えてしまいますよね。
お仏壇の線香は、日本の文化において大切な役割を果たしてきましたが、近年では、線香の煙が子供や赤ちゃんに与える影響について懸念する声も高まっています。

私自身、義実家の線香で喉がイガイガするんです。また、子供たちは気管が弱いので良く咳き込んでしまいます・・・。
そこで本記事では、実際に線香の煙による影響を調査した専門家の意見を具体的なデータなどをもとに解説します。
また、線香の煙が子供や赤ちゃんに悪影響を及ぼさないようにするにはどうしたらよいかなど、具体的な方法もご紹介するので是非参考にしてみてください。
線香の煙が子供や赤ちゃんに与える影響のデータ・実験資料
厚生労働書「線香、お香及び蚊取り線香の煙中ベンゼン濃度」
厚生労働省が公表している「線香、お香及び蚊取り線香の煙中ベンゼン濃度」という資料があります。この資料では、色々な種類の線香から、どのくらいの有害物質(ベンゼン※1)が出ているかを実験と共に公表しています。※1ベンゼンははIARC グループⅠに分類される発がん性物質です。
線香、お香、蚊取り線香10製品を用い、燃焼により発生する煙中のベンゼン濃度を測定したところ、すべての製品からベンゼンが検出されました。
また、6畳間で1時間燃焼させたときの推定室内ベンゼン濃度は 5.4 μg/m3 ~31.3 μg/m3であり、いずれも大気環境基準を超えていました。(大気環境基準は3 μg/m3。)
この資料には有害物質をできるだけ避ける具体的な対策方法として、「線香、お香、蚊取り線香使用時のベンゼン曝露量低減のためには、使用をなるべく短時間に抑えることや、燃焼後の十分な換気が必要と考えられる。」と記載されています。
愛知県衛生研究所「一般住宅の室内室内の微小粒子状物質(PM2.5)」線香等の影響
愛知県衛生研究所が公開している「室内の微小粒子状物質(PM2.5)|愛知県衛生研究所」というデータでは、一般住宅での調査で、線香や調理等によってPM2.5が発生していかどうかを実際に実験で検証しています。
その中で、線香などの燃焼や発煙を伴うものは、濃度影響を受ける、持続性がある(1時間以上の持続)という結果が出ました。
この実験結果には、換気の重要性が書かれていました。有害物質(PM2.5)を避ける具体的な対策方法としては「換気扇と空気清浄機は、どちらもPM2.5を減らすことができる。換気扇の方がPM2.5を減らす力は強いが、空気清浄機は室内のPM2.5を外気と同じくらいまで減らすことができる。そのため、外気のPM2.5濃度が高い場合や、室内にPM2.5が溜まりやすい夏や冬には、空気清浄機が効果的。」と記載されています。
九州大学「線香の煙を吸入すると喘息が悪化する?-線香の煙が気道に及ぼす影響を科学的に解明-」
九州大学大学院医学研究院呼吸器内科学分野の研究グループは、「線香の煙を吸入すると喘息が悪化する?-線香の煙が気道に及ぼす影響を科学的に解明-」の発表で、線香の煙を吸入すると気道が収縮しやすくなり、気道を覆う上皮のバリア機能が低下することで、喘息を悪化させる可能性があることを明らかにしました。
線香を燃やすと多くの有害物質が発生し、高濃度のPM2.5が室内に長時間浮遊することが知られています。また最近の臨床研究で、線香を日常的に使用する家庭の子供は、使用しない家庭と比べて喘息のリスクが高く、肺機能も低下しやすくなることが報告されています。
具体的な対策方法として「「線香の煙で咳がとまらなくなる」「ゼーゼーしだす」とおっしゃる喘息患者さまがいらっしゃいます。線香の本数を減らしたり室内を換気し、線香煙をできるだけ吸入しないように心がけた方がよいかもしれません。」と記載されていました。

線香の煙に関する実験やデータを簡易的に説明しています。詳しくはそれぞれのリンクを参照ください。
これらのデータは子供や赤ちゃんを対象にしたものではありませんが、子供や赤ちゃんは、大人よりも呼吸器系が未発達であるため、線香の煙による影響を受けやすいと考えます。では、実際にここからは線香を製造しているメーカーの見解についてご紹介します。
線香の煙が子供や赤ちゃんに与える影響について製造メーカー発表
日本香堂「よくある質問(製品について)お線香は人体に害を与えますか」より
日本香堂は、1761年に創業の、お線香・ローソク・お香などの製造・販売を手掛ける、日本最大の香料メーカーです。
日本香堂は、お線香の製造・販売で長い歴史と伝統を誇っています。創業以来、香りの文化を大切に守り続け、日本を代表するお線香メーカーとして、国内外から高い評価を受けています。

私の実家もずっと日本香堂のお線香を愛用しています。
こちらの製造メーカーの「よくある質問(製品について)お線香は人体に害を与えますか」では、以下のように記載されていました。
お線香は人体に害を与えますか
現在弊社が製造しておりますお線香の原材料には、基本的に人体に影響を及ぼすとされているものは一切使用しておりません。
天産の植物(木粉)をベースに、天然香料、合成の香料、合成の着色料などが原料として配合されています。
合成香料についての安全性はイフラ機関という香料についての安全性を定める国際機関で
安全であるとされているものを原料として使っております。もし、ご使用にあたって煙が気になるような場合は距離を置いていただくか、適宜換気をしていただきながらご使用下さいませ。
引用:お線香は人体に害を与えますか – よくあるご質問
また、煙の少ないお線香のご使用もご検討下さいませ。
香寿堂「お香・お線香について」より
香寿堂は、兵庫県淡路市に本社を置く、お香・線香の製造販売会社です。創業は1716年で、2023年現在で308年の歴史を誇ります。
香寿堂のお香は、伝統的な製法に基づいて作られています。原料には、天然の香木や植物を厳選して使用し、熟練の職人が丁寧に仕上げています。
おちらのメーカーのホームページには、香料に関して以下のような記載がありました。
薫寿堂で使用している香料は、IFRA(※2)等が定める実施要綱に準拠したものを使用しています。
(※2)IFRAとは…
引用:お香・お線香について – 株式会社薫寿堂
International Fragrance Associationの略。世界的規模で、人や環境に対しての安全性を自主規制(実施要綱の制定:香料の使用基準・使用制限、使用禁止など)という手段で確保する団体です。
これらのように、製造メーカーが自社の商品に対して安全性を謳っているものだけを購入するようにすれば、より一層子供や赤ちゃんに影響が少ない商品を見つけることができます。
線香の煙が子供や赤ちゃんに影響しないようにする安全な使い方
子供や赤ちゃんは線香の煙から距離をとる
子供や赤ちゃんは、大人よりも呼吸器系が未発達なので、線香の煙による影響を受けやすいと考えられています。
実際に煙の影響を受けないようにするには、線香をたいている部屋に入らない、(高濃度になるため)線香をたいた後空気の通り道(風下)にいないなど、煙から距離をとるようにしましょう。

換気をする場合、どちらからどちらに空気が流れているのかを把握し、風下に子供や赤ちゃんがいないようにしましょう。
子供や赤ちゃんが入る前にしっかりと換気をする
線香をたいている間、別の部屋で遊んでいたとしても、しっかりと換気をしてから入らないと煙の影響を受けてしまいます。
上で紹介した「室内の微小粒子状物質(PM2.5)|愛知県衛生研究所」では、線香の煙は1時間以上高濃度が持続するという結果も出ているので、しっかりと換気をしてからその部屋に入るという対策がおすすめです。
また、線香を焚く場所を、窓際や換気扇の近くにする。線香を焚いている間は、窓を開けて換気する。空気清浄機を利用するという対策もおすすめです。
煙の量が少ない線香・燃焼時間が短い線香を選ぶ
線香の煙の量は、線香の種類や燃焼時間によって異なります。煙の少ない線香を選ぶことで、煙の影響を軽減することができます。最近では子供や赤ちゃん、ペットがいる家庭向けの安全な商品も登場しています。

煙の少ない線香は、パッケージに「煙の少ない」などと記載されていることが多いです。
■線香の煙が少なく、ミニ寸のおすすめ商品はこちら(全部日本製)
線香の安全性を求めるのであれば、やはり日本製の商品がおすすめ。これらの商品は日本製で煙が少なく、ミニ寸なので燃焼時間が短いものだけです。
線香をしっかりと消す
線香を消すときには、灰皿に置くようにしましょう。線香をそのまま放置すると、煙が再び発生する可能性があります。
線香の煙が子供や赤ちゃんに影響する心配はしすぎなくても大丈夫!
今回は、線香の煙の影響について、様々なデータや実験を集めてみました。
線香の煙に関しての影響は、煙の量や濃度、子供や赤ちゃんの体質や感受性によって異なるため、一概に「線香の煙は子供や赤ちゃんに影響する」とは言い切れません。しかし、心配しすぎる必要はありませんが、適切な対策を講じることで、子供や赤ちゃんの健康を守りたいですよね。
- 線香は煙の量が少ない商品を選ぶ。
- 線香の燃焼時間が短いものを選ぶ。
- 線香の煙が充満している部屋に入らない。
- 室内に漂う線香の煙を喚起をしっかりとしてできるだけ早く減らす。
また、これら以外にもそもそもお線香自体をLEDにしてしまうという手もあります。そうすれば、煙の心配もなく過ごすことができますよ。

リモコンでオンオフできるので簡単です。
この記事を参考に、子供や赤ちゃんが線香の煙の影響を受けないように過ごせるよう、願っています。


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