集団登校は子供同士のトラブルが起こりやすい・・・
小学校の登下校方法には、集団登校と自由登校(親の送り迎え)の大きく2つがあります。
全国の小学校の約6割が集団登校を取り入れており、安全性や規律面のメリットから、今後も主流と考えられます。しかし、近年は子ども同士のトラブルや保護者の負担増加などが課題となり、自由登校への転換を図る学校も出てきています。
集団登校は子どもたちの成長に不可欠ですが、「いじめ」や「遅刻」といった問題がつきまとうことも。今回は、これらの問題にどう対処すれば良いのか、具体的な解決策を分かりやすく解説します。
登校班にトラブルメーカーが!危険行為を超えたいじめ
集団登校中の道でわざとぶつかってくる、悪口を言われる、仲間はずれにされる…。このようないじめやトラブルは、残念ながら集団登校でよく起こる問題です。子どもたちは、大人には言えない悩みを抱えていることも少なくありません。ここでは、実際に起こっているいじめやトラブルの事例を交えながら、その実態についてご紹介します。
1.危険な登校場所を通るように強要される
学校によっては数キロの道のりを小学生だけで登校しなければいけない地域があります。その道のりの中には、危険な箇所や近道があり、そこを無理やり通らせることで「度胸試し」や「近道」をさせようとする子がいます。
学校までの道のりに急な坂道があり、そこを通ると少しだけ早く学校に着くことができる。高学年の子は楽々滑って行くが、低学年の子の中には怖くて行くことができず、毎日置いてきぼり。学校から帰った後、“特訓”と称して半強制的に段ボールを使って滑る練習をさせられる。これはいじめでは?
2.ランドセル持ちゲームや鬼ごっこなどの遊びをしだす
お調子者の子が登校班にいる場合、朝からテンション高く、登校中遊びに誘ってくることがあります。断れれば良いのですがその子が上級生の場合、下の子たちは逆らえないことも。朝が苦手な子にとっては、苦痛でしかありません。
登校班の中にトラブルメーカー的な男の子がいて、重いランドセルをわざと誰かに持たせようと“ランドセル持ちじゃんけん”を提案してくる。
みんな嫌がっているけれどジャイアン的な子で、断ると手を出してくることもあり子供は断れない。学校に報告したけれど、数日たつと同じことがまた起こる。
ランドセルを持たせるのがダメだと自覚してからは、勝手に鬼を決めて“鬼ごっこ”をしながら登校したり、石けりをしながら登校したりする。親に言っても無反応で、学校としても一人だけ登校班から外すことはできず。結局そのまま。
3.信号待ちにふざけて押してくる
子供が集まればふざけてしまうのは、当たり前と言えば当たり前。ただし、時と場合を考えずにいきなりふざける子もいます。道路でふざけるのは命にも関わります。
横断歩道で信号待ちをしている時に、わざと車がくるタイミングで押してくる子がいる。自転車や歩行者がいる時にも同じように自分の子供が押され、過去には近所の方とトラブルになったことも・・・。学校側から注意してもらったけれど、今でもたまに発作的にそういう行為をするから、その子を登校班から外して欲しい。
4.抱き着いてきたり、急に手を引っ張ってきたりする
女子に多いケースですが、距離の取り方が分からない子は、登校中も仲良くしたい!とベタベタしてくることがあります。「面倒くさいな」と思っていても、後々トラブルになることを心配して強く言えない子も。ハッキリ嫌だと伝えても、「拒絶された!」と被害者のように訴えられてしまえば、先生や相手の保護者から自分の子が責められてしまいます。
娘の登校班には、距離感が分からない子がいます。まず顔をみるなりハグ。その後も1列登校がルールなのに、手を繋ぎたくなる。娘が注意すれば完全に無視!数日口を利かず、学校でも「あの子とはしゃべらない!みんなも協力して!」とマウンティング。女子特有のものかもしれないけど、親のほうが滅入ってしまいます・・・。
遅刻のトラブルが面倒くさい!
集団登校では、みんなが一緒に学校へ向かうために、決められた時間に集合することが大切です。ところが、中には集合時間に遅れてくる子がいて、他の班のメンバーや、特に低学年の児童が待たされるということが起こっています。ここからは実際に遅刻してくる子の事例をご紹介します。
1.いつも遅刻をしてくる子のせいで、皆が全力疾走
登校班の一人がいつも遅刻してしまうため、時間までに学校に着くように全力疾走。他のメンバーは毎日、時間に追われて慌てて学校へ向かうことになります。特に低学年の子は、身体が小さい割に大きな荷物を持っていることが多いので、交通量の多い道路を横断する際などは、非常に危険な状況に陥る可能性があります。
6年生の登校班の班長さんがいつも遅れてくるんだけど、「早くしろ!」って子供たちを急かすのよね。右左もあまり見ずに横断歩道を渡ったのを見て、さすがに本人と学校に注意をしたけれど、低学年の子は逆らえないようで・・・。見えないところでどんな風に登校しているのか不安です。
2.低学年や気に入らない子を置いて行く
登校班は基本的に、班長と副班長がいて、低学年の子たちを間に挟む形で学校へ行きます。
しかし、登校班の班長や副班長が、低学年の子を置いて学校へ行ってしまうという事例がたびたび報告されています。
学校に着いてしまえば、登校班で来たか否かが分からないので、低学年が置いていかれてしまっても本人たちが申告しない場合、発覚が遅れてしまうことも。特に、集合場所ではみんな揃ってから出発しているのに、途中から先に行ってしまう場合では、親も把握することができません。
低学年だけでなく、気に入らない子や支援級の子・外国人の子を無視して走って先に行ってしまうという嫌がらせも起こっています。また、PTAに入っていない子は集団登校に入ることができないというルールがある学校もあります。
外国人兄弟の我が家は、転入早々置いていかれました。先生にも相談しましたが、集団登校はPTA管轄だから入っていない我が家は対象外だと。1年生と3年生ですが、今では2人で行かせています。
3.学校へ行き渋る子にイライラ!
親が送り迎えしていた幼稚園や保育園とは違い、学校までの距離を1人で歩いて行くというのは、1年生になったばかりの子にとっては辛いことも。集合場所まで来たのは良いものの突然座り込んでしまったり、歩かなくなってしまったりと、“行き渋り”をしてしまう子もいます。
登校班に優しい子がいれば声掛けをしてくれることもありますが、子供同士ではなかなか解決できない問題でもあります。毎日毎日続くと「もう!いい加減にしろよ!」と怒って、遅刻になるくらいなら・・・と、放置してしまう子も出てしまいます。
3年生の男の子。いつも登校班までは親が同伴でくるんだけど、行き渋るからって集合場所まで送って来たら泣いていようが叫んでいようが放置して帰ろうとする。1年生の時からそう。でも、足にしがみついたり一緒に帰ろうとしたりして、毎日毎日ぐだぐだやっている。結局行けない日が多いんだけど、それに巻き込まれている登校班の子供たちはたまったもんじゃない。集合場所でやらずに家でやってくれ。それから、放置して行く日、世話してる高学年も疲弊しているから、学校側にも対策して欲しいって言ったけれど結局むり。
集団登校が起こった時のトラブル対応・対処法
集団登校の登校班でトラブルが起こった時、親の付き添いは必要!?メリットデメリット
登校班でトラブルが起こった場合、親の付き添いが必要かどうか迷いますよね。
トラブルの内容によって変わりますが
・置いていかれる
・暴力や暴言がある
・登校中にふざけて危険
という場合は、親が付き添って行くのが一番の解決策でもあります。親の付き添いを行なう場合、必ず学校側に相談をしましょう。
トラブルの原因となっている行為を直接見ることができ、今後の改善点を把握できる。安全確保できる。子供たちに安心感を与えられるといったメリットがあります。
しかし、長期的に付き添うと、子どもが一人で登下校する機会が減り、自立が遅れる可能性がある。他の児童に余計な気を遣わせたり、トラブルを複雑化させるなどのデメリットもあります。
保護者が付き添う期間は、子どもの状況に応じて徐々に短くしていくことが大切です。
登校班でのトラブルは学校へ報告が鉄則!
登校班でトラブルが起こった時、一番最初に報告すべきは学校です。まずは、学校の先生に相談し、状況を共有しましょう。学校側も、トラブル解決に向けて様々なサポートをしてくれるはずです。直接問題行為をしている子供やその親に注意をしに行くと、問題が長期化してしまうこともあるので要注意!学校が問題行為をしている子に直接話を聞き、場合によってはその親に注意をしてもらいます。
先生への相談は、連絡帳に「登校班の件でお話ししたいことがあります。」とアポ取りしたり、個人懇談や電話などでおこないましょう。いきなり押しかけるのはNGです。
学校が何もしない場合はどうするの?
最近のいじめ問題でもそうですが、学校側が何も対応をしてくれないこともあります。その場合は、トラブルに関わっている他の児童の保護者とも連携を取り、話し合いを進めることが大切です。まともな親御さんなら、そこで「うちの子が問題を起こしているんだ!」と気づき、対応をしてくれるでしょう。しかし、問題行為をする子の親が話が通じない人だということも少なくありません。その場合は、登校班の他のお母さんたちと相談して、問題の解決策を出してみましょう。
相手の子に対しての“悪口”にならないように、解決策を相談しましょう!また、一時的にトラブルが収まっても、再発を防ぐための長期的な対策を考える必要があります。
実際に集団登校トラブルを解決した方の対応・対処法
登校班でトラブルが起こった時、みんながどうやって対処したのかを見て行きましょう。
- 学校に相談したら先生が指導してくれて改善した!
- 親が登校班について行って様子を見た
- 違う登校班に入れてもらった
- 車で送り迎えをするようにした
- 自由登校にしてもらった
解決策は学校側と相談して決めることになります。学校に行ってしまえば仲の良いお友達がいて楽しく生活できる場合、毎朝の登校にこだわらなくても良いのではないでしょうか。
PTAを抜けたら登校班から外された!
子供の世界だけでなく、大人の中にも登校班によるトラブルが報告されています。特に問題となっているのが「PTAを脱退したら、登校班からも外された!」という問題。
母親も仕事を持っている今のご時世。朝の登校班の見守りやその他のPTA活動ができず、やむをえず脱会する保護者も増えてきました。
ですが、子供の安全は何よりも大切。
登校班がある場合は、朝の見守りを自治体がシルバー人材センターやボランティアを使って解決できれば、PTAを抜けたからといって外されるなんてことは無くなるでしょう。
さいごに
登校班は卒業するまで基本的にはずっと一緒。そこでトラブルが起こってしまうと、親としても「学校に行けなくなってしまうのでは」「同じ登校班のママさんからどう思われるのか」という不安も付きまといますよね。でも、学校で「気の合う子と付き合い、気の合わない子とは距離を置く」ということができれば、何ら問題はないのです。子供が登校班に縛られず、楽しく学校へ通えるよう、親としては見守りたいですね。
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